なんか
なんかしないとなー、ということで dialog 要素の真似ごとなぞをしてみる。色々とありえないが、特に、CSS がハッキーとかそういうレベルではない。
1
- かおり
- 先輩お疲れ様でーす。頼まれていたもの買ってきました。あと、ついでにおやつも買ってきたので、ちょっと休憩しません?
- あおい
- お、気が利くじゃん
- さおり
- 悪いわね
- かおり
- いえ、まだまだ足手まといですから
- さおり
- そんなふうに言わないの
- あおい
- そうだぞ。日頃の感謝を込めて、と言うように。さーて、どれどれ。あれ、かき氷?
- さおり
- あら、本当。『かき氷 あか』
- あおい
- 味じゃなくて色指定か!
- かおり
- はい。もうひとつ白というのもあったんですけど。あと他にはコーヒーとかバナナとか
- あおい
- 味指定のもあるなら、普通は味が書いてある方買ってくるんじゃないか
- かおり
- いえ、こっちの方が面白いかなあと思いまして
- さおり
- たしかに面白いことはたしかね
- あおい
- これで不味かったら罰ゲームな
- かおり
- そんなあ
- あおい
- さあ、運命の一口、ゆくぞ
2
- あおい
- たしかに赤だな
- さおり
- そうね。縁日とかで売ってるかき氷の味よね。いちご味というわけではないし、何味とも言い難いわね。あえて言うなら甘味料の味?
- かおり
- よかった
- あおい
- ん、何が?
- かおり
- 罰ゲームを回避できたみたいで
- あおい
- 罰ゲーム?何の話だ?
- さおり
- ねえ、どうしてかき氷にしたの? なんかもう梅雨入りしたみたいだけど
- かおり
- うーん。私の中ではかき氷はどっちかというと雨の時に食べて、アイスクリームは晴の時に食べてる感じなんですよねえ
- あおい
- そういうもんかなあ? さおりは?
- さおり
- え、私? 私はそんなことないと思うけど
- かおり
- 実はその、かき氷を食べている時の記憶は大体雨が降っているというか
- あおい
- わからず
- さおり
- かき氷って夏祭りとか海水浴とかで食べるじゃないですか。あんまり普段食べない気がするんですよね。かき氷をつくる機械があっても違和感がない状況で食べてるというか。アイスはそれよりは日常的ですね。学校帰りでも食べたりしますし
- あおい
- なるほどねえ。たしかに縁日ではかき氷だな。浴衣着てハーゲンダッツ食べてたら...似合わないだろうなあ
- さおり
- え、ということはかおりって、その...
- かおり
- ええ、そうなんです
- あおい
- ?
- かおり
- えと、私がお祭り行ったり海行ったりすると、その、天気が悪かったりというか
- あおい
- ああ、かおりって雨女なんだ
- かおり
- 人が気にしている事をさらりと言わないでください!
- さおり
- そうなの?
- あおい
- やっぱりか
- かおり
- 否定しにくいです
- あおい
- はっきりしないぞ
- さおり
- いいじゃない、色々あったのかもしれないし。私は、その、別に気にしたりとかはないから安心して
- あおい
- そうさ、君は雨女だから誘わないなんてことはないから安心したまえ。いくらこの前のお花見が
- さおり
- ちょっと、あおい
- あおい
- ごめん。言い過ぎた
- かおり
- 大丈夫です。もう諦めてますから。昔は雨女ってどうやれば治るんだろうなあと思ったりもしましたけど。毎日りんご食べたら晴女になるとか、サランラップを巻くと雨が降らないとか、手のひらに雨と書いて飲み込むとか、そういうのなんですけど
- あおい
- あったら逆にすごいだろ。雨乞いの儀式に応用できそうじゃないか。いや、実はかおりを投入すればそれだけで
- さおり
- ちょっと、あおい。二度目
- かおり
- いえ、お気遣いなく。そういうわけで、行事の前はてるてる坊主をよく作りましたね。でも降るときの方が多かったですけど。それで、てるてる坊主って雨降ったら首切ったり、晴でも川に流したりするじゃないですか
- さおり
- 今は普通そこまでしないんじゃないかしら
- かおり
- かもしれません。ともかく、雨が降るのは自分のせいなのにてるてる坊主君は頑張ってくれたわけだし、晴れるとてるてる坊主君のおかげですし、情が移ってしまうというんですかね、もうこれは結果とか関係なく邪険にできないなあと思うんです
- あおい
- なあ、かおり
- かおり
- はい。なんでしょう
- さおり
- お前、初恋の相手はてるてる坊主か?
- かおり
- ちょ、ちょっと、いきなり、おかしな事言わないでくださいよ
- あおい
- じゃあ、誰だったんだ
- かおり
- なんなんですか、いきなり。一ノ宮先輩、助けてくださいよ
- さおり
- それで、誰だったの?
- かおり
- そんなあ
- あおい
- さあ吐け。吐いて楽になれ
- かおり
- ええ!じゃあ、てるてる坊主君でいいですよ。はい。私の初恋の相手はてるてる坊主君でした
- あおい
- チキンめ
- かおり
- じゃあ、井上先輩はどうだったんですか
- さおり
- そうね、気になる
- あおい
- それはその...て、てるてる坊主に決まってるだろうが
- さおり
- チキンね
3
- かおり
- あ、井上先輩がかき氷かき混ぜてる
- あおい
- 別におかしくもなんともないだろう
- さおり
- かおり、良い事教えてあげる
- かおり
- え、なんですか?
- さおり
- あおいはねえ、かき氷だけじゃなくて、アイスクリームもシャーベットもそしてヨーグルトもかき混ぜてたべるのよ
- あおい
- どうだっていいでしょ、そんなこと
- かおり
- へえ。なるほどお
- あおい
- 何がへえで、何がなるほどなんだい?言ってごらん、怒らないから
- かおり
- いえいえ、深い意味はありません
- あおい
- そもそも、本来のヨーグルトは固まってないものなんだ。少なくとも日本でよくあるヨーグルトみたいには。そのよくあるヨーグルトってのはわざわざ寒天とか凝固剤を入れて固めてるんだよ。だからそれを本来の姿にもどしたって何もおかしいことなんてない。そうだろう?
- かおり
- はあ
- あおい
- 私は、この、日本社会のなんでも固めておけば良いだろうという風潮に警鐘をならすべきんじゃないのかと思う。本来もっと自由であるはずのものに凝固剤だのなんだのを投入して固める、自由を奪う、規制する、束縛する。これは食べ物の問題なんかじゃない。そう、この国全体の問題ではないか。全く、こんなにもこの国をがんじ搦めにしてを一体どうするつもりのか。硬直化した現代日本が崩壊の瀬戸際にたたされているのにも関わらずだ。我々は今こそ声を大にして叫ばなければならない!柔よく剛を制すといってきた日本人よ、今こそ真の意味の柔を取り戻し来るべき千年にふさわしい国をつくろうではないか、と
- さおり
- あおい
- あおい
- なに?
- さおり
- 相当苦しい
- あおい
- そうか?
- さおり
- 結局、かき氷をかき混ぜるのがおかしくないのはどうして?
- あおい
- えーと、それはその...
- かおり
- くくく、い、井上先輩、ひゃひゃひゃあああっひゃあひゃふぁぉぃうきゃ
- あおい
- さーて、そろそろ仕事にもどるか
- さおり
- そうね
- かおり
- 来るべき千年に、ひゃひゃ、って先輩話そらしまたね
- あおい
- 何のことだ。そういえば、かおり、金曜使う資料はお前に任せる
- かおり
- えーそんな殺生なあ。ひゃひゃ、ふさわしい国をつくろうではないか、かかかか。くくくくく
- あおい
- え、何?え、そんなに仕事したいって?それじゃあ来週の資料も頼んだぞ
- かおり
- えー。それってパワハラなんじゃないですか?というか、なんでこんなに会議が多いんだあ。会議のバカヤロー
- あおい
- ぶつくさ言えてるうちはまだ大丈夫だから、安心しろ
- かおり
- なんですか、その後輩の恐怖心を煽るようなセリフは
- さおり
- かおり、良いこと教えてあげる
- かおり
- はい。今度は本当に良いこと教えてください
- さおり
- 資料作りは赤を入れる方が大変なのよ。つまりあおいも徹夜覚悟ってことなのよ
- あおい
- え、どっちかはさおりが見るんだよね?
- さおり
- 何いってるの?私には留学生の受け入れという激務があるでしょうが
- あおい
- あ...
- かおり
- わかりました!不肖立花かおり、凝固剤にかえてでも完璧な資料を作成します!
- あおい
- まだ言うか。ならば、私が貴様に資料のなんたるかを叩き込んでやろうじゃないか。かき氷よりも真っ赤にしてあげるから覚悟しなさい!